Diaries written in October 2019.
October 31, 2019.

いつ見ても,ああなる数時間前とは思えない,良い笑顔だ.


October 20, 2019.

「いまxx歳だっけ.」
「あと半年すると,4歳半の男の子に出会うんです.」
「もう半年後には,その子の父親になるんです.」


October 18, 2019.

墓参りに出かけた.良くも悪くも年数の経っていることを実感した.


October 17, 2019.

在来線に揺られた.揺られた先では,久しぶりに見た人が,脚立の上でなんだか大変そうな作業をしていた.


October 16, 2019.

出身高校に顔を出した.

卒業直後,予備校に通っていた時期は,「あの学校で得られた教育は最高のそれではなかった」ことに対するやり場のない感情から,意図的に距離を置いていた.
その評価は今でも変わってはいないと思う.私の学問に対する姿勢も,数学系に進むための原動力の大半も,予備校で過ごした1年なしには涵養されなかったと思っている.


ただ,ここ最近は,当時ほどの心理的抵抗を持つことなくあの地を踏むことができている感覚がある.
それがなぜなのかはよくわからないが.

当時習っていた先生の一人が,「あれくらい同期で濃いつきあいができる環境はなかなかない」という
言葉を述べていたことが印象的だった.
その言葉の意味するところが掴めるような歳にはまだなっていないが,とりあえず心のピンには留めておくことにする.


夕方から,ある先生と2人で食事を摂った.いろいろと昔話をした.
それなりの重さを背後に感じさせながら,軽快に話をしていた.
あなたの背後に見えているそれは何ですか,と尋ねようとして,
私が背負いきれなかった荷物の話を切り出そうとして,
どこを見ているとも取れない,擦れたようでもない一方で決してあおくさくもない眼差しの前では,
やっぱり野暮な気がしてしまい,思っていたような話はできなかったし,聞き出せなかった.

少しだけ昔の身の上話をしたところ,
「それは大変だったなあ」と,なかば流すように,なかば受け止めるようにこぼしていた.
特に教訓じみた話をせず,「人生生きていると色々あるものな」と.

人生プラマイゼロでいいんだよな,と言われた.
やらなきゃいけないことは短期的に見れば色々あるけれど,すごく長い目でみればそんなこともない,と.
「二歩進んで二歩下がるくらいが僕にとってはちょうどよいです」という私の言葉に,それでいいんじゃないかと
特に無理を強いるわけでも,強い勧めをするわけでもない言葉が返ってきた.


食事を終えてから,家に送ってもらった.
その道すがら,先生が10年以上前に暮らしていたという家の近辺の様子が気になるからといって,
寄り道することを提案されたので,快諾した.
私の実家からほんの5分もしないほどのところだった.

当時あったはずのアパートはなくなっていて,
その場所に新しく居場所を構えた一軒家に,薄暗い照明が灯るばかりだった.
先生はなんだか満足げだった.


先生はきっとそのつもりはなかったし,実際そんな感じではなかったのだけれど,
少しだけ背中を押してもらえたような気がした.


October 15, 2019.

今更祝うような歳でもないよと思うところがないと言ったら嘘になってしまうけれど,
ケーキを買ってもらえたのでありがたく頂いた.

そのお返しのつもりではないけれど,年下の方々におこづかいをあげた.
若い未来ある方々が少しでも楽しい人生を送れるといいなと思っている.


October 14, 2019.

チェックアウト直前までホテルで寝て,京都駅で昼食を摂り,新幹線に4時間半ほど揺られていた.


新幹線の中ではふたたび函数解析の本を広げて眺めていた.ユーザ向けの函数解析の本だと自称しているだけあって,
厳密な証明はほとんど省かれていたが,使いこなす上で必要な概念は余すことなく網羅しているという印象で,
個人的にはしばらく暇つぶしのお供になってもらいたいと思っている.


郷里での食事は,相変わらず食べ切れなかった.
試しに「こんなに出しても食べ切れないよ」と言うわがままを
言ってみたのだが,「ああごめんねぇ,若い人の腹具合はわからなくて」と言われた.

この手の(世間一般では親密性を期待されるような)関係性には,
ろくでもない思いを多数させられてきた人生だったが,
そんな中でも真っ当に愛情を注いでもらえた数少ない関係の一つがここにあり,
帰る場所であり続けている.


October 13, 2019.

結婚式に出た.カメラにはかなり働いてもらった.
来たるべき時が来たという気分だった.それはそれとして,
かなり気楽にふるまっていた.他人のビールをこぼしたり,
こぼれそうなギリギリまで注いで表面張力が発生する様子を眺めたりしていた.


中高時代の親友かつ悪友であると自信を持って言える相手である.
高校を卒業してから,日常的には顔を合わせなくなったやつだったが,
彼は彼なりに,いろいろなものを積み上げてきたのだということがわかって,
いち友人として嬉しかったし,なんだか安心した.

式が終わって,ホテルに戻った後,
そういえばそいつとは一度たりとも同じクラスになったことがなかったことを思い出した.
何がきっかけで話すようになったのかを当人に聞いてみたのだが,
今となっては覚えていないようだった.もちろん私も覚えていない.
恐らく日常で交わした言葉たちの多くを,やり取りしたことがらのほとんどをお互い忘れているらしい.

それでいいような気がしている.ほとんどを忘れているけれど,
それでも関係の強さを互いに確信できることこそ,
何気ない日常を過ごした証左になっているのではないか.

そういう日常をともに送ってくれた彼のことは,本当にありがたいと思っている.
と同時に,私の心の中にある(ほとんど消えかかった)日常の記憶を以て,
「日常を送ること」についての(私から見て,極めて高い)能力を,私に対して自ら示した人間でもある.
だからだろうか,私にとって唯一余計な思慮なく,手放しで祝福できる相手である.


結婚おめでとう.これからのあなたたちの人生に幸多からんことを.


October 12, 2019.

一日つかって,京都の街をまわっていた.

友人に連れられるまま,喫茶店を3軒まわった.いずれも落ち着いた雰囲気の良い店だった.
台風がゆえか,客足が少なめだったのも好ましかった.

客人として歩くからだろうか,京都の街をめぐるたびに「ここに住みたい」という気持ちが強くなる.
喫茶店はたくさんあるし,人口はそこまで多くないし,街並みはそこまで複雑ではないし.
東京に住んでいることによる恩恵を強いて挙げるならば,気軽にコミケに行けることくらいだけれど,
コミケはその性質上気軽に行くようなものでもない.


あとは,電気屋に行ってコンパクトフラッシュカードを買った.
今回の結婚式を機に,物置から引きずり出してきた一眼レフがあるのだが,
そいつが SD カードではなくて CF カードを要求してきたことがきっかけである.
この一眼レフ,バッテリーの充電器もなくなっていたので,先週はそれを買い足したのだが,
その時はメモリーカードスロットのところを見ておらず,買い足すのに失敗していた次第.

旧い縁からの形見分けでもらったもので,使っていないことに何となくの罪悪感というか,
何か時間を止めたままにしてしまっていたような感覚があったのだが,
今回使うきっかけを得たのは,個人的にはとても嬉しい.
一日適当に使いまわして,何となくの使い方がわかった気にはなったので,
明日は少し頑張ってもらうことにしよう.


ところで,夜に半年ぶりくらいに高校時代の(また別の)友人と会った.
何を話したか,話した直後からだいたい忘れてしまったのが残念な限りだったのだが,
私に対して「日本的なしょーもない大企業につとめるのもいいんじゃないか?」というすすめを,
意外と説得力のある仕方で持ってきたのが相変わらず流石だなとおもった.
それと,私に向いていないことが何なのかを的確に抉り出してくれて,
最近悩んでいたことのひとつに対して霧が晴れるような思いをした.とはいっても,
その内容が何だったのかを忘れてしまったので,悩むこと自体が消えたことを除いてすべて台無しなのだが.


October 11, 2019.

とある高校時代の友人の結婚式に出るために,別の高校時代の友人と京都に向かった.

日曜の午後に挙式なので,土曜の午前中に出ればよかろうということで,そのように手配していたのだが,
土曜は終日,日曜は午前まで新幹線が運休している旨を聞いて,慌てて新幹線に飛び乗った次第.


新幹線のデッキに立ちっぱなしになったのはおおよそ7年ぶりである.流石につかれた.もうしばらくはこういう無理はしないと思う.


宿泊先のホテルでは,適当にコンビニで調達した食事を摂った.
高価かつ良質な食事もそれはそれで悪くないと思うが,私はこういう食事のほうがなんとなく好きだ.
このように文脈の付与された食事にのみ見いだせる特別な何かがあるような気がして.


布団の中で,久しぶりに数学の本を開いて眺めていた.函数解析の本だった.
さいきん有限要素法という名前をよく聞くので,それが載っている本を家から探してきたらこうなったというわけ.
どうにもここ数ヶ月と精神的に閉塞した気持ちでいたのだが,
なんとはなしにこういう勉強をする気力を喪っていたのが原因だったのかもしれない.


October 6, 2019.

日記,本当にサボりはじめると一瞬でつけなくなるので本当によくないということがわかった.いや,何がよくないかよくわからないのですが.

とりあえず今日はのんびりしていた.少しだけ kubernetes the hard way をやったり,ゲーセンに行ったり,haskell を勉強してみたりしていた.


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