Diaries written in October 2022.
(ねこが起きてきて)
わたし「起きたな,ねこ」
ねこ「ん゛なぁ〜(はらへったからめしをだせ)」
わたし「出すからちょっと待ってろ」
(めしを皿に出したところで)
わたし「削りぶしをかけるからちょっと待て」
ねこ「ガツガツ(待ちません)」
ねこ,私の寝床から出なくなりよった.無理やり抱っこしてねぐらに入れてものしのし戻ってきてしまう.挙句私の布団の端でほんとうに寝はじめたので,私はもう一方の端に追いやられて寝ることになりそうだ.
実家に暮らしていたねこは今まで5匹いたが,いまいるのは最後の1匹である.このねこは私が小学生の時に家で餌付けしていた野良ねこの子供(つまりは野良の生まれ)で,それを色々あって祖母が引き取った.今年で20歳になる大老ねこだ.こいつは本当に臆病で,私の父と祖母以外には当初ほとんど懐かなかった…どころか,この2人以外が家にいると物陰から出てこなかった.珍しく出てきても,目が合って1歩距離を詰めようものなら飛ぶように逃げられた.仕方がないので,こちらから仲良くするのは諦めていた.
それでも「普段はいないが,どうもときどき家にいるやつ」のことを認知はしていたらしく,次第に姿を見かけることが多くなった.目を合わせると硬直するのだが,有無を言わさず逃げるほどではなくなっていった.いつからか忘れたが,気づいたら撫でても逃げない程度に距離を詰めてくるようになった.特に何かした記憶はないのだが,本人(本ねこ?)なりの判断の結果「こいつの前では逃げ出さなくてよい」と思われたようである.臆病なのは変わらず,他の人がいると当然のように姿を消した.
そんなやつだったのだが,2年前に祖母が骨折して入院してからかなり性格が変わった.当たり前のように家の中を徘徊するようになり,大声で鳴くようになったのである.おそらくだが,祖母が入院していた2〜3週間の間ひとりぼっちで不安なまま過ごした結果こうなったのではないかと思っている.
人間に強いストレスを与えれば当然それに合わせてこころに変化が生まれるが,どうやら事情はねこも同様らしい.すぐ隠れなくなったので探す手間は省けるようになったものの,そうなった経緯を考えると手放しで喜べるものでもない.今後はできる限り穏やかに人生(ねこ生)を全うしてほしいと思っている.
ねこ,深夜1時だというのに「ん゛なぁ〜」と鳴いている.めしはやったしマッサージも山ほどやったし,いくら文句を言われても人間さまはもう寝るぞ.
とか思っていたら布団の周りをのしのし歩かれた挙句に眼鏡を蹴飛ばされてしまった.不服の意を表明しているのかもしれない.
わけあって実家に帰省し,よい機会なので家の整理をしつつ思い出を振り返っていたところ,家のねこがかまってほしそうにすりよってきたので,面倒を見ます.