作者さんの Twitter:https://twitter.com/ononon
喫煙はそのうち淘汰されると思いますが、彼女はきっと滅びゆくものの側にいると思う。(作者さんコメントより引用)
私の記憶が正しければ,コミケで表紙買いをして手に入れた本です.私にいわゆる欠損趣味はないのですが,表紙を見て惹かれるものがありました.こういうときの直感が当たってくれると大変嬉しい気持ちになりますが,この本は「当たってくれ」た本です.
いつまでも味わえるわけじゃないこういう日常をな
噛みしめるように行きてけたらええな(ビっ子さん)
この作品群で描かれる「ビっ子さん」は,とりあえず強烈な印象を多くの人に残す身なりをしていると言って良いでしょう.
チェリーを愛飲するヘビースモーカー.口を開くと飛び出す軽快な関西弁.隻眼隻脚で移動は松葉杖頼り.
ですが不思議なことに,これらの非日常的で際立った特徴は,この作品で描かれる彼女の日常という静かなテーマと何ら違和感なく絡み合っているような気がします.
お なんかまたええ話してもたな(ビっ子さん,先程の引用した台詞の直後に)
何が,どこが好きなのか,いまひとつしっかりとは私の中で言葉になりません.隻脚ゆえの不便さだってあるでしょうに,「折角身体が軽くなったのに勿体ないやん」と軽くいなして義足をつけたがらない,そんな彼女の軽さと重さに惹かれていることは間違いないのですが.